ゴリラは不動産を動かすことが出来るか。

不動産・投資・子育て・その他時事ネタや雑記を綴っていきます。

ホントにあった不動産の怖い話 ③

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どうもこんちには。"そん"です。

 

今年あったクレームの内容を精査していたのですが、私が発端で起こったクレームは0件でした。引っ越してきた隣人が常に私を見張ってる、追いかけてくるってクレームもありました。隣地さん空家で誰も居ないはずなんですけどね・・・。

 

さて本日のネタは人によっては怖いと感じるかもしれません。

間違っても部屋を暗くして読むような内容では無いかもしれませんのであらかじめご承知おき下さい。

 

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第三話

USBメモリースティック

 

これは私がある程度不動産の仕事を覚え始めてきた、二年目の秋深まる頃だったと思います。

その日は先輩社員たちが全員サボり外回りに出ており、事務所には私と事務員さんの二人だけでした。

 

昨日見たドラマの話、最近の彼氏事情、会社の愚痴など、

そもそも日付が変わる前に帰宅できた経験が無い私には、事務員さんにとっては何気ない会話でも私には苦痛にも感じるピロートークで、「早く終わらねーかなー」と感じたその時でした。

 

一本の電話が会社に掛かってきます。

いつもと同じように電話に出た瞬間1オクターブ上に上がる声で対応する事務員さんの応対を横耳で聞きながら事務作業をしていると、電話が終わったのか

 

事務員「30分後に売却希望のお客さん来るそうです」

 

そん「え?誰が対応するんですか?」

 

事務員「え?そんくんだよ」

 

そん「え?ナニソレ怖い」

 

この時期、弊社は売却物件の募集に注力しており、

競合他社に媒介(売却の依頼契約を結ぶこと)を取られようものなら鬼の営業部長にシバかれる事案が多発していたため生命の危機を感じるのも無理からぬ話です。

 

そこで私は上司に電話をかけ、査定の交代もしくは同席を依頼しました。

 

そん「上司さん、査定依頼がきたんですけどどうしたら良いですか?」

 

上司「場所どこ?」

 

そん「●●市××町です。」

 

上司「お、おう。お前もそろそろ独り立ちする頃だから一人でやっていいぞ。じゃあな」

 

そんな無茶なと思いつつ、あと15分でお客様が来店するため資料を集めなきゃとパソコンポチポチ。

 

「あ、そういうことか」

 

当該地の所在を地図を検索していると見渡す限り山山山。

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売却の依頼を預かったところで売り物にならないから私一人に投げたのは明白でした。しかし私は不動産営業として媒介を受任し売り切ってみせる!と心に誓ったのは未だに自分だけの秘密です。

 

そんなこんなしている内に、お客様がご来店。

・なぜ不動産を売ろうと思ったのか。

・不動産の税金について

・弊社に売却を依頼するメリット

・弊社の売却スキーム

上記を30分くらいお話ししたところで

 

売主「よし、そんくんに売るの任せるよ」

 

そん「ありがとうございます!」

 

売主「あ、そうだそうだ。現地まで遠いし、このUSBメモリーに現地の写真を撮ったのが入ってるから使ってよ。」

 

そん「お気遣い頂きありがとうございます!念のため確認させて頂いても宜しいですか?」

 

売主「いいよいいよ。」

 

そん「少々お待ちください。」

 

そう言って席を立ち、奥にある社員スペースに引っ込み自分のデスクに座る私。

USBメモリーをパソコンに差し込み、フォルダを展開。画像はどこかな~。

 

ん?

 

自撮り写真だ。申し訳無いような何とも言えない気分になりつつ画像探しを再開。

 

「●●市××町 写真」フォルダ発見!

 

お、これだこれだとファイルを開く。

 

OUT!下腹部の写真OUT!

 

マジカヨマジカヨ、間違えて画像入れちゃっただけだよな?と自分に語り掛けつつ下に下にスクロールしても見渡す限り下腹部のお写真。何枚撮ってんだコイツ。

 

そして

動画も発見。

そっとパソコンを閉じ、商談スペースに戻ります。

 

そん「お待たせしました。」

 

変態「どうでした?」

 

そん「凄く立派でした」

 

変態「お~そうですかそうですか」

 

そこから何事もなかったように不動産トークを5分ほどしてお帰り頂きました。

勿論その後その変態売主と連絡を取ることは出来ず事件は迷宮入りに・・・。

 

何が目的だったのか、周辺の不動産屋さんにもしばらく経ってから聞き込みをしましたが、そのような事案は他社では発生しておらず、どうやら弊社をピンポイントで狙ったテロ(しかも自爆)だったのではないか、と言うのが私の結論です。

 

しかしその目的、理由までは推し量ることが出来ず、ただただ私1人がゲンナリする不毛な出来事だったのは言うまでもありません。

それ以来、何人か自宅の写真が入ったUSBメモリーを預けてくださる売主様と出会いましたが、この出来事がトラウマとなりフォルダを開く際に未だに少し緊張してしまうが辛い所です。

 

こんなしょうもない事にも遭遇してしまう不動産業界。

次回はどうしようかな。クレーマー編に突入するか検討中です。

 

最後までお読みいただきありがとうございました。

それではまた次回!

ホントにあった不動産の怖い話 ②

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どうもこんにちは。"そん"です。

 

急に寒くなってきましたね・・・。

一昨日までの時季外れのポカポカ陽気が嘘のように朝から神経が張り詰めます。

そしてタイミングを図り間違えて地上に出てきた少数精鋭の2019年物セミさん'sにお悔やみ申し上げます。

 

ホントにあった不動産の怖い話【第二話】

埋蔵文化財

 

さて、埋蔵文化財をご存知ですか?

Q:埋蔵文化財ってなんぞや?

www.bunka.go.jp

 

これがどうしてなかなか厄介でして、

例えば不動産屋さんが埋蔵文化財包蔵地(文化財が眠ってるところ)を購入して

万が一遺跡等が発掘されると、発掘にかかる費用は

原則不動産屋さんの負担になります。結構すごい金額になります。(個人の場合は免除されることが多いです)

 

事前に試掘調査を行って当該地に埋まってないか当事者・教育委員会の面々で立会いを行うケースがほとんどですが全員目が血走ってます。もうドッキドキです。土器だけに。稀に教育委員会の職員の目の前で土器を埋め戻そうとする猛者も居るとかいないとか・・・(ちなみに試掘調査費は自治体負担がほとんどだと思います)

 

試掘調査で出土しなくても住宅建築中に出土したらOUT。

もちろん工事はSTOP。

売り逃げようとしてもそんな「負」動産を買う奇特な方が現れるはずもなく・・・

お土地の売買契約前に周辺試掘調査の結果や地歴も徹底的に調べて出土しそうなエリアじゃないか確認を取りますが、それでも建物の基礎が打ち終わるくらいまではドキドキします。土器だけに。

 

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そんなお土地を弊社は購入しようとしていたわけです。

 

事前の教育委員会での聞き取り、包蔵地エリア確認では真っ黒。

なんなら隣で2年前に出土して半年間工事ストップしてました。

 

これは無理だろ~、と事実を上司に伝えて私はお役御免。

 

すると一週間ほど経ったある日、

自社の在庫物件リストにそのお土地の情報が新着でINしてました。

 

あれ!?絶対埋蔵文化財出てくるって伝えてなかったっけ!?ヤバい俺のせいにされる!!そう思った私は即上司にTEL。

 

そん「あの土地買ったんですか!?絶対埋蔵文化財出てきますよ!」

 

上司「知ってるよ。だから買った」

 

そん「はい?」

 

【これまでとそこからの経過】

埋蔵文化財出てくるって分かった時は止めようとした。

・あれ?重要事項説明書に「埋蔵文化財保護法」該当するって書いてなくね?

・手付金0円なのに手付解除期日付いてるぜ?

・売買契約締結

・試掘して無事文化財が出土する

・弊社「埋蔵文化財出てきたから手付放棄して(0円)契約白紙解除するわ」

・仲介、売主「「困る」」

・弊社「じゃあ安くして」

・仲介、売主「「ぐぬぬ」」

・弊社「やったぜ!」

 

重要事故説明書と契約書の内容がガバガバだったのと売主様も事業資金が早急に必要だったために切羽詰まった状況での金額交渉が出来たわけです。

 

購入金額が3000万円下がりました。

 

ちなみに埋蔵文化財保護法をクリアする方法はいくつかあります。

その一つが「やむを得ない」事情がある場合は、保護でOKだよというもの。

文化財が埋まってる深さから下に影響が出るような土壌改良とかをしなければ、保護したと見なして許容してくれます。

 

ただし「やむを得ない」事情がある場合に限ります。

 

「やむを得ない」事情がある場合だけです!

 

だから「やむを得ない」事情がある場合だけなんだってば!!

 

 

そんなこんなで擦った揉んだも有りましたが今ではとある事業者様から毎月云十万円のお家賃を頂けております。表面利回りは36%。

 

これから住宅を建築するご予定のある方は「埋蔵文化財保護法」という法律があるんだ、という事を覚えて頂ければ幸いです。ぶっちゃけハウスメーカー埋蔵文化財保護法がかかるエリアは敬遠すると思うので余程大丈夫です。

 

はてさて

やはり書いてて思うのはそこまで怖くない…

タイトルを「そんの不動産営業体験記」とかにそのうち変えるかもです。。。

 

最後までお読み頂きありがとうございました!

それではまた次回!

 

 

ホントにあった不動産の怖い話 ①

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どうもこんにちは。"そん"です。

 

不動産取引の影にドラマ有り。

私がこれまでに体験・伝聞してきたドラマをシリーズにしてお話しをしていきたいと思います。

※もちろん不動産ファンタジーです。信じるか信じないかは貴方次第です。実在の人物・企業・団体等とは一切関係が無い事をあらかじめお伝えさせて頂きます。

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【第一話】

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私がまだ入社して間もない頃です。

3人のご家族が弊社にご来店されました。

 

仮に

・ご主人様 A

・奥様 B

・娘様 C

としましょう。

 

そのご家族は賃貸アパートにお住まいでしたが、2人目のお子様の出産を控え手狭になってきた事から中古マンションを探されておりました。

 

まだまだ拙い私の接客ではありましたが、上司のサポートやご主人様と趣味の話が合い、無事購入の申し込みを頂く事が出来ました。

 

この時点では住宅ローンの事前審査も通過し、

リフォームプランにも華を咲かせ順風満帆なマイホーム探しだったと言えるでしょう。

 

奥様の表情が商談を重ねるにつれて暗くなっていく事を除いて・・・

 

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契約を翌々日に控えた朝、

 

上司「今日明日くらいでご主人から連絡くるぞ」

 

そん「契約日時の確認とかですか?」

 

上司「だと良いな」

 

そん「…?」

 

今思えば上司には虫の知らせが届いていたのでしょう。

当時の私はそこまで人の機微に通じておらず分かりませんでしたが、今思い返せばやたらと商談を長引かせたり、もっと良い物件あるんじゃない?と物件購入を先送りにしようとしたりと毎回の商談時に奥様フラグ立て過ぎだったな、とこう思うわけです。

 

その日の夕方頃。

 

プルルルルルル。

社用携帯に映る「ご主人様A」の文字。

幾許かの嫌な予感と共に通話ボタンを押す私。

 

そん「お世話になります。そんで御座います」

 

ご主人様「…………。」

 

そん「……?もしもし?」

 

ご主人様「すいません、離婚する事になりました」

 

そん「………はい?」

 

 

話を纏めると以下の通りでした。

 

・買付書を出してからも奥様が購入に反対する。

・ここで止めると色んな人に迷惑が掛かるし、物件も気に入っているからとご主人様が奥様を説得。

・手付金を銀行から引き出してくれとご主人様が奥様に頼むも拒絶。

・怪しんだご主人様が自分で引き出そうと銀行へGO

・口座残高軒並み\(^o^)/

 

 

今となっては奥様の浪費癖が酷かったのか、他に男が居て貢いでいたのか知る術はありませんが、自分が一番辛いにも関わらずキャンセルの連絡を消え入りそうな声でくださったご主人様には尊敬の念が絶えません。

 

そしてこの一件が私の不動産人生における初買付であり初買付飛ばしであり、この後出し元の業者にメチャクチャ謝ったのは言うまでもないでしょう。(この手の案件は年1くらいのペースで遭遇します)

 

 

 

不動産取引の裏側には数多くのドラマが存在し、営業マンの心を掴んで離しません。

高給取りで派手で威圧的なイメージの強い不動産業界ですが、彼らの背中には多くの悲哀も同居している事も併せて伝えていけたらと思います。

初回ということで私の思い出エピソードをかなり不動産ファンタジーに脚色して綴らせて頂きました。(大して怖くない…)

 

それではまた次回の不動産ファンタジーで!

 

 

 

 

Blogを始めました

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お世話になります(口癖)。

"そん"です。

 

Twitterを始めて1年と少々、

これまでは沢山の方々が発信される情報をただ受動的に取り込むだけでしたが、

自分の今までの経験や思考が、人に思わぬ影響(良くも悪くも)与えることが出来るのでは?と思い始めてみることにしました。

 

具体的には私が勤めている不動産会社での経験を基に、

・不動産裏話

・不動産実録

・不動産知識

・時事ネタ

・子育てネタ等の雑記

・アブナイ投資話

を感情の赴くままにツラツラ書き綴っていきたいと思っています。

 

私には当たり前の話でも、

当ブログを読んで頂いた方々が「面白い!」・「勉強になった!」等々

今後生活するうえでのトリビアとして寄り添うことが出来れば感無量です。

 

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改めまして "そん" です。

27歳、良き夫・良き父である事を願って止まないゴリラです。ウホッ

 

大学卒業後、

地元の中小企業に就職するも入社3ヶ月で

TO-SAN( 倒 産 )

 

「こんな事もあるんだな~」と、呑気に構えていましたが

日に日に厳しくなるマイ・マザーの目に耐え切れず、就職活動開始。

 

新卒での就職活動時には目もくれていなかった不動産業界に

「不動産って稼げるんじゃね?」という安易な気持ちで即決したのが運のツキか否か…

これまた地元のゴリゴリ不動産会社に入社して今に至ります。

 

罵声を浴びせられたことは数え切れず、流した涙も多量ですが、

学生時代に読んだ漫画「センゴク」内で本願寺顕如様が仰られた

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を今生を渡り歩くための羅針盤として胃に穴を開けながら生きてます…

 

そんな私ですがどうぞよろしくお願い致します!