ホントにあった不動産の怖い話 ➄
どうもこんにちは。"そん"です。
昨日も忘年会だったのですが、任意売却を専門に取り扱っていらっしゃる不動産屋さんと話する機会がありました。なんでも最近では任意売却より競売の方がはるかに高く落札されるんだとか。用語解説は以下を参照。
Q:任意売却とは?
Q:競売とは?
任意売却は基本的には不動産屋が情報を水面下でやり取りするので表に出てくることはあまりありませんが、競売はインターネットなどでおおまかな情報は見れますし、詳しい情報は裁判所でGETできます。労力を惜しまなければ。
勘の良い人は察したかもしれませんが、任意売却物件は不動産屋さんが横のつながりで早々に処理する為、一般の人の目に触れる機会があまりありません。金額も債権者(金融機関等)と折り合いが付けばOKですしね。もちろんローン、借金の返済が滞っていることを近隣に知られたくないという所有者の意向で流通に出てこないといったケースもあります。
反対に競売は最近では一般の方達も参戦してきているため値段が吊り上がるんだとか。そのため物件によっては任意売却ではなくそのまま競売に持ち込んだ方が得なんじゃね?と考える債権者が増えてきたんだとかなんとか。
確かに競売で落とせる物件も減ってきた印象です。
土地は一般の方々と張り合うと絶対に負けますし、中古戸建・マンションは買取再販業者が「は?」って言うような金額で買っていくので、最近は年に1回落せればいいかな?くらいの気持ちで競売に参加しているくらいです。しかも田んぼ。
今でこそ占有者(物件に居座るヤカラ)は裁判所が追い出してくれますが、実は昔は違ったんですよ。落札者が何として追い出さないといけない時代があったんです。今日はそんなお話です。
第5話
占有者
これは私が知り合いの不動産屋さん(以下Aさん)から聞いたファンタジーですので、物語中の会話などは妄想です。文句を言われても困ってしまうのであらかじめご了承ください。
今から20年ほど前、とある不動産屋さんが中古戸建を競売で落札したそうです。代金も納付し名実ともに不動産の所有権はその不動産屋さんの物です。
落札した物件を確認しに行こうと、社長・専務の2人で現地に向かうと何やら人の気配が。まだ前所有者が居座っていたんですね。情報では老夫婦が住んでいる事を把握しており、当初は丁重に相当の期間を以て退去頂くようお願いする予定だったそうです。
ピンポーン!
玄関のチャイムを押し、待つこと数十秒。
中からドタドタと足音が響くと、ガチャッと扉が開くやいなや
占有者「ここはワシの家じゃ!!!なんじゃ貴様ら!!!やんのかワレ!!!おん!?」
社長・専務両名は思ったそうです。
2人「これアカンやつや」
と。
罵倒される事数十分。
結局話し合いにすらならないまま2人は事務所に帰って来たそうです。
Aさん「お疲れ様です。どうでした?」
専務「話すら取り合ってくれなかったよ~」
社長「占有屋が入ってるとちょっと厳しいかもね」
占有屋とは文字通り占有(居座ること)を生業にしたアンダーグラウンドな方々の事です。所有者が今の家から出て行きたくなかったり、嫌がらせ目的でこういった人たちにお願いしていたんだとかなんとか。今でもたまーに遭遇します。2年に1回とかのペースで。
Aさん「許せんですねそいつ!僕が何とかしますわ!任せてください!」
社長「え~絶対無理だよ。」
Aさんはこの会社に入社して間もなく、何とか手柄を立てたい気持ちに駆られていたそうです。
Aさん「絶対何とかします!」
社長「何か手伝うことある?」
Aさん「窓割って良いですか?」
約一週間後。足音がかき消されるような雨が降る、そんな夜だったそうです。
Aさん「よし、行くぞ」
Bさん(元舎弟)「ウッス」
作戦はこうだ。
・1階和室の窓にガムテープを張り石で割る
・鍵を開けて侵入
・寝静まっている占有屋を起こして退去するよう説得
注※もちろんAさんが勤める会社所有の戸建です!何も問題なんてないんだから!
そして2階の寝室で占有屋を発見。
部屋の明かりを点け、AさんとBさんは叫んだそうです。
A・Bさん「うぉいッ!!!」
後にBさんはこう振り返ります。
あんなにビックリして飛び跳ねる人初めて見た、と。
余りの衝撃に占有屋は
占有屋「うわぁあああああああああ!!!」
カチコミでも来たんじゃないかとうろたえる占有屋。
そして目が合うAさんと占有屋。
占有屋「Aくん・・・?」
少しの間があり
Aさん「お前、占有屋くんか・・・!?」
まさかの占有屋はAさんの知り合い。というか同級生。
この後、所有者には引っ越し費用を払い自主退去。占有屋さんには手間賃(なぜ?)とAさん会社社長が職業斡旋を施し解決したようです。今では居酒屋を経営しているとかなんとか。
この話を聞いた際、終わりがけに
「いや~、世間って狭いぞ。ガッハッハッハ」と笑っていましたが絶対に使い方違うと思ったのはここだけの内緒。
そして今日はこのAさんと忘年会なので新たな武勇伝が聞けるのではとワクワクしてます。ちなみにAさんは産まれてこの方ずっとカタギです。Bさんは分からない。
さぁさぁこんなところでまた次回。
最後までお読みいただきありがとうございました!!!